エンレイソウ (延齢草)
Trillium smallii
別名:タチアオイ、ヤマソバ、アメフリボタン
ユリ科 エンレイソウ属

低地〜山地の湿り気のある林内などに生える。茎は直立し、高さは20〜40センチ。茎頂に長さ1〜2センチ
の花を1個つける。花弁のように見えるのは外花被片(萼)で、3個あり、緑色から暗紫色まで変化に富む。
内花被片はない。葉は茎頂に3個輪生し、菱形状円形で、先がとがる。果実は液果で球形、稜があり、緑色や
暗紫色など変化が多い。

花期:4〜6月  分布:北海道、本州、四国、九州

エンレイソウは、全国に分布し特に珍しい花ではないが、北海道では生えている密度が違うと思う。自然公園
神社の境内、防風林など、湿り気のある場所なら足の踏み場もないほど花をつける。咲き始めは下向きだが
徐々に横向きになる。群落を眺めていると、SF映画の戦士が隊列を組んで襲いかかってくるようで怖くなる
から不思議だ。(笑)

この花は、種を落としてから花をつけるまでに15年前後もかかるという。そういうことを知ると花を見る思いも
変わってくる。2006.5.13


エンレイソウの特徴は
@花は外花被片(萼片)のみで花弁はない
A雄しべが雌しべより長いか同じ
B雄しべの葯(花粉がつくところ)は花糸(葯を支えているところ)とほぼ同じ長さである。そして、花の真中にある
子房の色は変化が多く、緑色、暗紫色、赤色に大別される。緑色をアオミノエンレイソウ、暗紫色をクロミノエン
レイソウ、赤色をアカミノエンレイソウと区別する場合もあるようだ。緑色と暗紫色を以下のクローズアップで
比較してみた。

花弁に見えるのは外花被片  子房の色が緑色のタイプ 子房の色が暗紫色のタイプ
2006.5.3 2006.5.13
江別市 野幌森林公園 Canon EOS 20D+EF100mm F2.8マクロ

子房が緑色と暗紫色のタイプは恵庭市でも見られた。2003.5.10

子房の色が緑色のタイプ 子房の色が暗紫色のタイプ
2003.5.4 2003.5.10
恵庭市 Nikon COOLPIX995

エンレイソウの変種なのか?2003年5月に確認した場所で、今年も見られた。2005.5.22

2005.5.22 恵庭市 Nikon COOLPIX995

エンレイソウの仲間にトイシノエンレイソウ(Trillium apetalon forma album)がある。今までは外花被片が淡い緑色
なので、下記がそれだと思い込んで掲示していた。しかし、梅沢俊 著「北海道 春の花 絵とき検索表U」を片手
によく観察してみると、雄しべが雌しべより短く該当しない。しかも、この特徴と一致する種は、参考資料に掲示して
あるどの図鑑にも見当たらない。これは変種だろうか。2003.5.5

外花被片、子房は淡緑色。
雄しべは雌しべより短い。

2003.5.5
同じ花を少し下から見ると
雌しべの柱頭が2裂(通常
3裂)。しかも、雄しべは
8個あるように見える。

2003.5.4
恵庭市 Nikon COOLPIX995