浮浪の滝
(ふろうのたき)

2000.4.10 滝全体 2000.4.10 滝の上部


@所在地:島根県平田市別所町
A分類:直瀑
B落差:15m
C概要:浮浪の滝は、天台宗の名刹「浮浪山鰐淵寺(ふろうさんがくえんじ)」にある。滝は、山門前を
流れる鰐淵川(わにぶちがわ)の支流の谷川にかかる。山門に向かって左手の駐車場前から鰐淵
川を渡ると、浮浪の滝に到る遊歩道がついている。天をつくような老杉が林立する森の中を、石段や
山道を登ると約20分ほどで浮浪の滝である。この滝は、智春上人が修行した場所と伝えられる
が、目を閉じると、静寂の中に響く滝の飛沫音、ピーンと張り詰めた空気感などが感じられる。
厳粛な雰囲気に自然と手を合わせてしまう。

岩窟にへばりつくように桧皮葺の蔵王堂があり、その真上から滝が雫のように落ちている。普段は
涸れているようで、太い糸のように落ちている姿は雨のあとでないと見られない。気象条件に恵
まれると、修験の行場にふさわしい神秘的な雰囲気を持つ滝に出会える。

出雲市から平田市市内に向け国道431号線を行くと、市街に入る手前に「鰐淵寺」の案内版があり
左折して県道250号線に入る。道なりに行くと、突然、開けて十六島湾に出る。左折して県道23号線を
少し行き、さらに左折して道端の地蔵様に誘導されるように進むと、行き止まりが「鰐淵寺」である。
最後の1kmは絶壁が迫って細くなった渓谷沿い道で離合が困難である。シーズン中はバス発着場に
隣接する駐車場から歩いた方が無難である。行き止まりにある駐車場には5台程度しか停められない
ので、ここの駐車場の空き状況を目安にするとよいだろう。

平田市のホームページには、鰐淵寺について次のように紹介されている。
近辺随一といわれる見事な紅葉を誇る雲境に位置する天台宗の古刹鰐淵寺。旅伏山の懐深くに
根本堂、仁王門等が所在し、浮浪の滝の落口の岩窟にしつらえられた蔵王堂など見所にあふれる古刹。
かつて修験道場として全国に名を馳せ、重要文化財の銅造聖観世音菩薩立像をはじめ古仏像や
書画、古文書など文化財の宝庫でもあります。また秋の紅葉まつりには多数の観光客でにぎわいます。

また、弁慶が浮浪滝にうたれて修行した話など、弁慶伝説が次のように紹介されている。
弁慶は仁平元年(1151)3月3日、松江市郊外に生まれ、18才で当寺に入り、3年間修行した後、姫路
の書写山に移り、やがて比叡山に登ったと伝えられる。そのため、弁慶に関する伝説には事欠かず、般若
橋下の川中の縦5m、横2m、高3mの袂石、根本堂後の硯水、大山寺から一夜のうちにかつぎ帰ったと
云う寿永2年の銘入りの梵鐘、浮浪滝にうたれて修行した籠堂の外、弁慶自画像、背負い櫃、勧進帳など
遺品も多い。又、この弁慶のようにたくましく、人間性あふれる人物の輩出を願って十月最終日曜日には
武者行列を中心とする「弁慶まつり」が行われ、他に「八百屋お七」などの伝説にも恵まれている。