岩龍寺の滝
(がんりゅうじのたき)

2000.9.23 滝全体 2000.9.23 滝の上部


@所在地:島根県江津市波積町本郷
A分類:段瀑(4段)
B落差:延長約121m
C概要:都治川の上流にある岩瀧寺谷という渓谷に掛かる滝である。滝の上流、及び下流は田園
地帯で、この場所(わずか500mほど)だけが深い谷になっていて、大きな滝が掛かっている。
一番奥まったところに傾斜が緩い絶壁状の河床があり、3段になって滑るように落ちている。
滝の幅が約18mというから、落差は目測で約50mはあろうか。想像していたよりはスケールの
大きな滝である。そして50mほどの下流(目の前)に4段目があり、川幅いっぱいに約3mの滝が
落ちている。延長という意味は、滝の落ち口からここまでの長さのことなのだろうか。

岩瀧寺の手前に真新しい滝の案内板があり、次のように紹介されている。
<名勝 岩瀧寺の滝及び自然林(江津市指定)>
この滝は高さ121m、幅18mで滝は4段に落下し、この4段から豪快に落下する様は
絶景です。海岸からわずかの内陸にこのような壮大かつ秀麗な滝は見ることができません。
春は桜にヤマツツジ、初夏の新緑が滝の景観を引き立たせ、秋となれば全山あでやかに
装った葉が滝をつつみ、四季それぞれに人々を魅了する名勝です。また、この自然林には
シイがカシよりも上部に位置するという植生分布上の逆転現象がみられます。

今日(2000.9.23)の滝は、この案内板の写真や市販の写真集などで見る姿とは異なり、荒れ狂って
いた。と言うのも、夜半に雷とともに大量の降雨があったからだ。滝水は薄茶色の泥水で、しかも
大量に流れて来るため、上流の方の3段が2段に見えるのだ。しかも轟音を鳴り響かせ、水煙をあげ
ながら垂直に一気に落ちているのだ。斜面を滑るように落ちる写真からは、同じ滝とは想像もつか
ない。そして、何の木だろうか、黄色に色付きはじめ葉が滝からの風圧で大きく揺れているが、滝と
重なって実に美しくみえるのだ。気象条件は悪いが、滝の引き立て役としては十分かも知れない。

到着した時は霧雨だったが、時間の経過とともに本降りになってきた。しかし、雨は全く気になら
ない。身体や器材がずぶ濡れになるのも気にせず、この瞬間は二度とないと言い聞かせ滝と対峙
したのだ。恐らく、このように壮絶な滝の姿は、年に数えるほどしかないと思われる。
自然が創り出した景観に感謝しつつ、災害に発展しないことを祈りつつ、滝に別れを告げた。

温泉津から国道9号線を江津市に向かう。約2kmほどで道路標識が現われる。左折して県道32
号線を川本町に向かう。約5kmで隅田の集落に達する。道路標識に従い右折して県道177号線
を江津市に向かう。道なりに行くと、山が迫ってきて谷沿いの道になる。そこを通過すると間もなく
下本郷の集落に入る。と、同時にイの字に左から道路が合流している箇所がある。道路が細いので
注意しないと見落としてしまう。ただ、今は真新しい滝への案内板が設置されていて分かりやすく
なった。左折して岩龍寺林道(舗装されている)を約1.5km行くと、正面に岩龍寺が現われる。左の
崖沿いに都治川が流れていて橋が架かっている。橋の右手前に、岩龍寺の滝の案内板があり
手前に若干の駐車スペースがある。橋に向かって左の道(川の右岸)を100mも進むと岩龍寺で
ある。滝へは寺の山門をくぐって本堂の右側から裏手に回り、右手に竹林を見ながら遊歩道を
登るとすぐである。途中に、右はBコース、直進はAコースの標識が転がっている。どちらを通って
も4段目の滝の前で合流する。川が増水している場合は、Aコースの方がより安全である。
Aコースの崖の上からは滝の全貌が捉えられるが、電線や電話線が滝を遮るように横切って
いるのが惜しまれる。