モモスズメ
Marumba gaschkewitschii echephron
チョウ(鱗翅)目 スズメガ科 ウチスズメ亜科

モモスズメは、「桃雀」と書き、成虫の後翅が桃色を帯びていること、翅を羽ばたかす姿が小さな鳥(雀)に似ている
ことに由来するという。ただ、「桃」については、幼虫が桃の葉を食べることに由来するという説もある。


幼虫は、いわゆるイモムシで、6〜10月に現れ、体長は70〜80ミリになり、全身にざらざらした白い顆粒がある。
体色は緑色、または黄褐色で、斑紋の入る個体もあるという。胸部と腹部の側面に黄白色の筋があり、胸部が
横に1対、腹部は体節ごとに斜めに7対が走る。頭部は縦長の三角状で、若齢幼虫は角状に尖った突起が顕著
である。尻には長い刺状の尾角とよばれる突起がある。幼虫はまゆをつくらず、土中で蛹化する。バラ科(サクラ
ウメ、モモ、リンゴなど)、ニシキギ科(ニシキギ)、スイカズラ科(ハコネウツギ)などの葉を食べる。


成虫は、5〜8月に現れ、夜行性で、翅を開いたときの大きさは70〜90ミリ。体色は褐色〜暗褐色で、前翅に波状
模様と黒い斑紋が1対あり、外縁はのこぎり歯状に裂け、内縁に沿って黒っぽい帯状の紋がある。後翅は桃色を
帯び、黒い斑紋が2対ある。口吻は退化し、摂食しないという。

成虫

わが家では、7月に成虫がリビングのテラス、家屋の基礎で見られ、米軍のステルス戦略爆撃機のような形を
していて驚かされた。その後、交尾するつがいも見られた。幼虫は8月に現れた。

虹色スミレの茎に止まって翅を休めていた。
まるで米軍のステルス戦略爆撃機の
ような形をしている。

翅を広げたときの幅は80ミリ。←は捕殺
したが、1週間後に↓のように交尾する
つがいが現れた。


2007.7.1
一瞬、家屋の基礎に枯葉がひっかかって
いるかと思った。すぐに、モモスズメの
交尾と分かり、逃げられぬうちにと何度も
シャッターを押した。(笑)

朝の5時半にみつけたが、夕方の6時
半もこのままの状態だった。ほたるは
「死んでるのでは?」と恐る恐る近づく
が、夜行性なのでじっとしていた。
翌朝は姿がなかった。

2007.7.9

幼虫

幼虫は8月に現れた。サクランボとサクラの葉裏にいたが、サクランボの葉の方が好みのようで集中的に食われた。
コマユバチ科の一種に寄生されたと思われる個体も見られた。

幼虫はサクランボの葉裏にいた。頭部を
下げて警戒しているように見える。
体長は50〜60ミリと大きくて目立つが
体色は葉と同じで保護色だ。注意しないと
見逃してしまう。

下は若齢に近いようで、頭がやや尖って
いる。葉をもいで観察し、そのまま地面に
置いておく。しばらくして戻ると、家屋の
基礎を登っていた。あと3センチほど登ると
換気口に達する。登り終えるまで待って
やる。胸部の脚が換気口に届いた瞬間
突然、クモに攻撃され地面に落下した。
この幼虫はサクランボの葉に戻して
やった。

2007.8.14
上はサクラの枝にぶらさがっていたもの
で、屋根に糞が落ちていて見つけること
ができた。体長は50ミリと小さめだが
体色が白っぽい。終齢に近いのだろうか。

下はサクランボにいた若齢幼虫。
体長は35ミリと小さく、頭部に角状に
尖った突起が見える。

2007.8.15

コマユバチ科の一種による寄生

こちらはコマユバチ科の一種に寄生
された個体である。
まゆではなく、白い綿状の毛で覆われて
いたが・・・。

2007.8.14
6日後の早朝、体長3ミリほどのコマユ
バチの一種が綿の中から次々に出て
きて飛んで行った。
モモスズメの幼虫はまだ生きていて
時折、からだをくねらせ不快感を
あらわにしていた。

夕方、左側のこんもりした綿だけが
残り、モモスズメもコマユバチの一種も
いなかった。モモスズメを覆って
いた綿は下に落ちていた。

2007.8.20