特集 二人でめぐる 北海道のスミレ


2008年3月、faura(ファウラと読む)2008年春号(通巻19号)が発売になった。雑誌の存在は知っていたが、今まで手に取って見たことはなかった。しかし、今回は違った。店頭の棚にあった表紙の写真がとても印象的で、「えっ!あれは何だろうと?」と自然に足を運ばせたのである。それは、写真家大橋弘一さんが撮影されたエゾノタチツボスミレであった。背景はやや濃いグリーンの葉、淡い紫色の花びらに紫色のすじが入った花が引き立つ。派手さはないが不思議な魅力で迫ってくる。そして、表紙の「特集 スミレの魅力」という活字に誘惑され、ページをめくる。いがりまさしさんの「スミレLAND北海道」、五十嵐博・梅沢俊さんの「北海道スミレ図鑑 −まず覚えたい17種−」、五十嵐博さんの「北海道のスミレ自生種全リスト」などなど、スミレの魅力がいっぱいの内容だった。今のもぐらには高価な雑誌だが、いつのまにかデイパッグにおさまり家路についていた。

もぐら・ほたるの北海道の山野草めぐりは今シーズンで6年目に入った。fauraに刺激され、今まで出合ったスミレを数えてみたら24種にもなっていた。アオイスミレ、エゾアオイスミレ、シソバキスミレ、シレトコスミレ、シロスミレなど、まだ出合っていないスミレも多いけれど、加齢とともに高山や遠地に分布するスミレをめぐるのは難しくなってきた。5年と区切りもよく、ちょうどスミレが咲く季節でもある。そこで、二人が出合ったスミレをコース別に整理して、特集を組んでみた。また、これを機会に2004年以前のスミレの写真をサイズアップした。


最終更新日:2008.6.17


おすすめコース
場所 コメント 二人が出合ったスミレ
ポロト自然休養林 

白老町の北東にあるポロト湖、及びその周辺の国有林がレクリエーションの森として整備されている。広さは396ヘクタールあり、ビジターセンターを中心に遊歩道やキャンプ場がある。
アイヌ民族博物館の北東にあるカムイ入口からビジターセンターを経由し(3.8km)、中央入口に到る(2.2km)の周回コースと湖の西尾根を散策した。5月4日に初めて訪れたが、気が付いたら週末は7週連続ここで過ごしていた。その甲斐があってか、右の11種のスミレ(サクラスミレは白老仙台藩陣屋跡のもの)に出合えた。特にタチツボスミレは、途切れることがないと言ってよいほどで、遊歩道沿いの斜面はこの花のためにあるかのようだった。次にフチゲオオバキスミレが多く、他のスミレの分布は局所的だった。中央入口付近で野生化した園芸種のビオラ・ソラリア’フレックルス’が咲いていて驚かされた。自生種は、他にアカネスミレが見られるという。 タチツボスミレ フチゲオオバキスミレ ヒナスミレ
フイリミヤマスミレ スミレ シロスミレ
ツボスミレ ミヤマスミレ オオタチツボスミレ
エゾノタチツボスミレ サクラスミレ  
藻岩山小林峠コース

藻岩山は札幌市の南西にあり、標高は531m。山頂の西にある小林峠から山頂までの4.2km(標高差230m)のコース。T6分岐までなら2.6km(標高差100m)。
小林峠からT6分岐の間で右の6種が確認できた。ここで見られるエゾノタチツボスミレは白花だった。スミレは登山者に踏みつけられるような場所で咲いていて、その影響があるのか個体数は少なかった。T6分岐から尾根筋に入ると、アオイスミレ、アカネスミレがあるというがまだ見ていない。 アイヌタチツボスミレ エゾノタチツボスミレ スミレ
オオタチツボスミレ タチツボスミレ ミヤマスミレ
道立自然公園野幌森林公園
(札幌市・江別市・北広島市)


江別市、札幌市、北広島市の3市にまたがる野幌丘陵にあり、面積は2051ヘクタール。
右の7種の他にアギスミレ、アイヌタチツボスミレが確認されているというが、まだ見ていない。
オオバタチツボスミレ、スミレサイシンは管理道路沿いで見たが、個体数は少なく、分布も局所的と思われる。
この公園は広大で1日では歩けないが、ヒグマが生息していないため安心して散策できるのが嬉しい。
オオタチツボスミレ ツボスミレ ミヤマスミレ
タチツボスミレ スミレサイシン フイリミヤマスミレ
オオバタチツボスミレ
恵庭公園

恵庭市の南西にあり、広さは約42ヘクタール。ユカンボシ川の源流を中心に遊歩道が整備されている。
スミレは右の7種を確認できた。スミレの女王と呼ばれるサクラスミレが身近な市街地の公園で見られるのは嬉しい。葉が三日月型のアギスミレと思われる個体も見られたが、それとは同定できなかった。 サクラスミレ エゾノタチツボスミレ タチツボスミレ
フイリミヤマスミレ ミヤマスミレ オオタチツボスミレ
ツボスミレ
函館山七曲がりコース

函館山は函館市の南西にあり、標高は334m。立待岬付近に入口があり、地蔵山見晴所まで約1km(標高差約250m)のコース。
この日(2007.5.6)はよほど運がよかったのだろう。たった半日の散策で右の7種を確認できた。二人にとっては急坂だったが、花に恵まれ、自然に上へ上へと導かれ、苦しさはなかった。シロバナオオタチツボスミレは時期が早かったのか確認できなかった。観音コースではエゾアオイスミレが見られるという。 アケボノスミレ ヒカゲスミレ スミレサイシン
ヒナスミレ ミヤマスミレ タチツボスミレ
オオタチツボスミレ


その他のコース
場所 コメント 二人が出合ったスミレ
レクの森土橋

厚沢部町の南西にあり、道の駅あっさぶに隣接する。土橋国有林の一部が整備され、キャンプや自然観察が楽しめる。
このコースは、たった2時間しか歩いていない。しかも、道を間違えて時間を無駄にしてしまった。しかし、念願のナガハシスミレ(=テングスミレ)出合えたうえに、スミレサイシンの群生も見られたのはラッキーだった。 ナガハシスミレ スミレサイシン オオタチツボスミレ
雨竜沼湿原

雨竜沼湿原は、暑寒別岳(1491m)を主峰とする増毛山地にあり、その東部の標高850mの溶岩台地に、南北1km、東西2kmにわたって広がる「北海道の尾瀬」と呼ばれる山地高層湿原である。
オオバタチツボスミレは湿原一帯で見られた。キバナノコマノツメは、湿原の入口近くの水場で見られた。フイリミヤマスミレは登山口に入ってすぐの右斜面で群生が見られたが、登山口が開かれる時期には花が終わっている。 オオバタチツボスミレ キバナノコマノツメ オオタチツボスミレ
ツボスミレ フイリミヤマスミレ ミヤマスミレ
夕張岳

夕張市と南富良野市の間を南北に走る夕張山地の南端に位置し、花の百名山として知られる。標高は1668mで、夕張市側からは冷水コースと馬の背コースがあるが、分岐で合流し山頂に至る。
スミレは右の4種類が確認できた。運がないのかアポイタチツボスミレ、エゾタカネスミレ、シソバキスミレには出合えなかった。 ウスバスミレ キバナノコマノツメ ケエゾキスミレ
フギレキスミレ
はまなすの丘公園

石狩川河口にある1500メートルほどの砂しを海浜公園として整備したもの。46ヘクタールの広さがあり、そのうちの16.5ヘクタールは石狩市海浜植物保護地区に指定されている。
この公園は名前のとおりハマナスの咲く公園として知られるが、イソスミレの北限地でもある。 イソスミレ
大雪山

大雪山は北海道の中央部にあり、北海道の最高峰である旭岳(2290m)を主峰とする大雪山連峰を中心とした山塊である。広さは南北63km、東西59km、面積は約23万ヘクタールと広大である。
エゾタカネスミレは黒岳山頂付近で、ジンヨウキスミレは銀泉台から赤岳に至る登山道の道筋(第1花園付近)で見られた。他にアイヌタチツボスミレ、ウスバスミレ、キバナノコマノツメ、タニマスミレが見られるというが、まだ出合っていない。 エゾタカネスミレ ジンヨウキスミレ
千歳市

北海道の空の玄関「新千歳空港」がある。支笏湖周辺、市街地の青葉公園など、自然を満喫できる場所が多い。
フチゲオオバキスミレは恵庭岳登山口から急登が始まる登山入口の間で見られた。最近までオオバキスミレとされたが、つぼみの色が紅紫色であること、根茎では増えずに単独に生える傾向が強く、群生しない特徴からフチゲオオバキスミレとされた。
ヒナスミレは千歳中央の雑木林で見られた。
フチゲオオバキスミレ ヒナスミレ
島牧村賀老の滝

賀老の滝は、道南の名峰狩場山(1520m)の東にあり、日本の滝百選の一つとして知られ、遊歩道が整備されている。
フギレオオバキスミレは、賀老の滝展望台付近の遊歩道で見られた。 フギレオオバキスミレ ミヤマスミレ オオタチツボスミレ


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